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近畿経済産業局長 年頭所感

年頭所感

近畿経済産業局長 森 清

近畿経済産業局長 森 清

 平成30年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 昨年の日本経済は総じて景気回復が続き、中小企業の業況も改善傾向にあります。

 先月閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」などを着実に推進することにより、この改善の動きを関西全域に幅広く行き渡らせ、関西の潜在成長率を高めていくことが重要です。

 ここ関西には、化学や鉄鋼などの基礎素材や、電子・電機分野の基盤的な部素材を扱う企業が多く、これらに関連するベンチャーから大手企業までフルセットの産業構造が存在しています。さらに、企業を継続して支援する大学や研究機関も数多く立地しています。

 この強みを活かすため、各有望分野で、意欲ある若者や地域を牽引する中小企業、企業支援に積極的な金融機関を取り込んだ、産学官金のネットワーク作りや事業環境の整備に取り組んでいきます。


 関西では、2025年の国際博覧会の誘致活動が、今秋の開催地決定に向けて活発化しています。万博の開催は世界から注目を浴びる絶好の機会となり、関西のイノベーション創造の起爆剤として大きな効果が期待できます。

 当局においても、経済界や地元自治体とともに万博誘致に全力で取り組んでまいりますが、誘致を成功させるためには地元関西の機運醸成が何よりも重要になります。皆様におかれましても、御支援、御協力のほどよろしくお願いいたします。

 こうした現状を踏まえて、当局といたしましては、以下の3つの重点分野に取り組む所存です。

 一つ目は、関西の特長を活かしたビジネス環境の創生です。

現在、IoT・ロボット・AI・ビッグデータなどの技術革新を背景とした第4次産業革命による、新たな繋がり(Connected Industries)から、個々のニーズを解決する「Society 5.0」を志向した様々なビジネスモデルが生まれつつあります。

 当局では、中小企業のIoT・ロボット導入に向けた支援や、再生医療産業・医療機器市場の活性化の促進、航空機・セルロースナノファイバーといった次世代製造業の創出プロジェクトなどに取り組み、関西にポテンシャルのある産業や、多くの研究機関などとの交流を演出し、Connected Industries時代に向けたイノベーション創出を支援してまいります。

 二つ目は、持続可能な世界を目指した技術と感性での世界への貢献です。

2015年に国連において採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、関西にとっても国際貢献とビジネスチャンスの拡大につながる重要な目標です。当局では、「SDGsプラットフォーム」を立ち上げ、ビジネスネットワークの構築を進めるなど、積極的にSDGsの実現に取り組んでまいります。 また、関西発の技術によるイノベーションの加速、関西固有の感性によるクリエイティブ産業の新たな市場創出、環境・省エネ分野をはじめとする中堅・中小企業の海外展開支援、スマートエネルギーを活用した革新的なエネルギービジネスの創出にも取り組んでまいります。

 三つ目は、地域未来投資の促進と中小企業の事業環境整備です。

地域未来投資促進法の成立を契機に、地域の特性を活かした成長性の高い分野に取り組む動きが活発化しています。関西経済の好循環の実現に向けて、地域未来投資の促進により、中核企業を集中的に支援してまいります。
また、中小企業の課題解決に向けて、事業承継支援や人材不足対策による事業環境の整備に取り組んでまいります。

 さらに、局職員が「がんばる企業応援隊」として、年間1,000社を訪問するなど、中堅・中小企業の実態把握と地域中核企業支援のさらなる強化に努めます。

 本年はこれらの取組に全力をあげ、関西経済のさらなる活性化を目指していきます。

 結びに、経済産業行政への御理解と御協力をお願いするとともに、皆様の御多幸と御健勝を祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。

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