奈良ブロック例会
平成19年10月11、12日富山市に出向き、新交通システムLRT(Light Rail Transit)の視察例会を開催した。ブロック会員を中心に16名の参加で、近鉄奈良駅前を貸し切りバスで出発し、午後2時30分富山市に到着。富山市芸術文化ホールにて、富山ライトレール(株)の担当者より説明を受けた。
ライトレール(LRT)とは、軽量軌道交通のことで、高架鉄道、地下鉄より一回り小さいがバスよりも大きな輸送力を持つ。簡易な設備で、低コストで建設できるという特長がある。従来の路面電車との差は、 1.都市交通・地域計画での位置づけなど政策的な裏づけ 2.既存交通との連携 3.運賃収受制度の改良(プリペイドカード導入等) などである。運営会社の富山ライトレール(株)は、旧JR西日本富山港線を路面電車化し、第3セクターが経営を引き継いだ。2006年4月29日開業。開業にあたり車両を全て入替て、富山市の都市計画にも組み込まれるなど日本におけるLRT第1号と呼べるものである。
この事業化の背景には、低密度市街地の拡散化、高い自動車交通への依存、サービス水準の低下があり、また10年後の富山までの北陸新幹線の開通計画もあり、総合的なまちづくりが求められていることがある。
人口減少・超高齢化社会の到来や環境問題が深刻化する中で、持続可能な都市を実現するため、公共交通を活用し都市機能を集約した「コンパクトな都市づくり」のお手本になるのではないかと思われる。
説明を聞いた後、富山駅北駅(始発駅)から岩瀬浜駅(終着駅)まで約25分間を電車に乗った。車両の外観・内観デザインの斬新さ、低床車両で利用者に優しく、そして制動軌道で騒音や振動が非常に少なく、"新交通システム"を実感した。
翌日は、立山黒部アルペンルートを回り、紅葉の秋を満喫して帰路についた。