平成 25 年7月 13 日(土) 14 時から甲南アセット大開ビル別館 5 階会議室にて講師ともで 36名が参加し、本年度第4回目(通算100 回目)の起業の鉄則研究会が開催された。 今回は、ビジネスの現場で最も注目されているビジネスモデルの歴史的な背景、具体的な革新事例などの講演と、本研究会100回の節目にあたり、小林宏至塾長が本会立ち上げの経緯、起業家が失敗するケースでありがちな傾向と、成功するためのポイントなどを体感できる講義であった。両講師ともにわかりやすく話され100回記念にふさわしい賑やかな研究会となった。
◆【第1 部】 「ビジネスモデル競争の時代-起業家的人材育成と創造的知の場の形成-」
講師: 西和総合研究所株式会社 代表取締役
小西 一彦氏
・今は戦略モデルを競う時代ではなく、ビジネスモデルを競う時代である。 ・歴史的にみると、資本主義は付加価値が生産によって作られる社会。生産がある限り、販売は無くならない。 コストはゼロにはならない。生産を競うようになって、供給過剰という現象が起き、これが不況をもたらした。 不況を解決する手段としてマーケティングが発展。 経営者がトップダウンで判断する経営者的マーケティングに進化した後、現代はビジネスモデル(儲けるための 仕組み)を競う時代だ。周囲の変化に応じ、イノベーションすることが重要。 ・日本は技術力に長けているが、欧米に比べ儲けるという点での収益力は格段に劣っている。 ・追手門大学の学生に教える傍らで、商店街の空き店舗を利用し学生にマーケティングを深く体験してもらうための チャレンジショップ「追風」を大阪茨木でスタートした。 ・起業家の人材育成と悩みなど相談し合える場として、神戸ベンチャー研究会、大阪ベンチャー研究会創設し、 月1回ペースで開催。神戸では150回を超えて続いており、輪を広げたい。
◆【第2 部】 「起業の鉄則研究会 100回を振り返って」 講師: 起業の鉄則研究会 塾長(株式会社甲南アセット 代表取締役)小林 宏至氏 ・平成16年5月に本会を全10回の予定で開始。好評で続けることができ、今回で100回を迎えることができた。 この10年(99回まで)で参加いただいた経営者307名、平均18名参加。 講師は105名、私が19回、現在は関西国際大学の先生になられた松本茂樹氏が10回。 北本光峰さん9回、小西一彦先生、大西泰鄰さんは3回というように協力いただいている。 ・関西ニュービジネス協議会を通じてベンチャー企業と接してきた感想は、成功例が非常に少ない。 業種でみると成功した企業は、飲食、サービス系、IT企業なら大きくなっている。 一方、ものづくり系は、アイデアは素晴らしいが、稼ぐ仕組みであるビジネスモデルがいまいちなことが多い。 設備資金を借りることはいいが、運転資金を借金してはいけない。 コストの中には税金も含めて考えるべき。薄利でも借金がなければ手元に現金が残る。 ・成功する創業は、自己資本分は貯めること。ゼロから始めると人間は強さを発揮できる。 スタート時に借金があればマイナススタートとなる。創業当初、私は井原西鶴の4つの商人道と松下幸之助の 商売戦術十カ条をよく見える所に貼って、戒めにしてきた。 実業と虚業を見分けよう。人の役に立たない事業は虚業である。損得より善悪を優先しよう。
終了後、近くの料理屋「雄司」にて食事会と歓談の一時がもたれた。次回は8月10日予定。
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