兵庫工業会、ひょうご産業活性化センター、兵庫県中小企業団体中央会とNBKが共催で、8月26日(月)にホテルオークラ神戸で、恒例の「夏のビッグイベント」を開催した。NBK兵庫ブロックはこのイベントに2004年から参加している。 今回は3部構成で、第1部を主催団体別にテーマを分けて開催。NBKは「ソーシャルメディアによる地域活性化」シンポジウムを企画した。第2部は、テレビや雑誌などで活躍されている経済ジャーナリストの財部誠一氏をお迎えし、「激動する世界経済 日本企業はどう生き残るか」というテーマで、基調講演。第3部は、井戸敏三兵庫県知事にご参加いただき、300名ほどで懇親会を行った。 第1部を企画するにあたっては、兵庫工業会と共催ながら、神戸ベンチャー研究会の協力のもとで、兵庫ブロックの小林宏至常任理事の会社に兵庫ブロックの有志が集まり、現在の経済問題を解決する成功例をもつベンチャー企業や行政の取り組みに焦点を当てて人選を行った。 当日は、近畿経済産業局 地域経済部情報政策課長の山口洋様が、「IT・データによる価値創出 ~IT融合新産業の実現に向けて」と題しご講演いただいた。米国を中心にビッグデータをビジネスに活用している企業の成長が注目を浴びている。日本では行政が持っている開業、廃業情報や天候の変化による農作物の収穫・被害情報といった膨大な公共データを民間企業が活用できる仕組みができていない。この問題を解消し、日本経済を活性化するための基盤作りのために、各省庁で整備を進めている現状や事例などをお話しいただけた。 続いて、NPO法人Deeppeopleの牧文彦理事長には、「デザインの力で世界を買える ~起業・創業におけるソーシャルメディア」をテーマにご講演いただいた。牧様はテレビCMでも有名で、ヒット商品となったチョーヤ梅酒㈱の「ウメッシュ」の仕掛け人でもある。現在は、老人介護、独居高齢者への宅配などの社会問題に対し、稼げる仕組みとしてビジネスをいかにうまく結びつけるのかというデザインを描くことに取り組んでおられ、起業を支援し実績を重ねられている。当日も、実際に行っているビジネスモデルや商品のデザイン例をお話しいただいた。 最後は、神戸ベンチャー研究会代表世話人の松本茂樹様をコーディネーターに、牧文彦様、兵庫県多可町長の戸田善規様、佐賀県武雄市役所主任の古賀敬弘様にご参加いただいて、「ソーシャルメディアと地域マネジメント」をテーマにパネルディスカッションを行った。 戸田様からは、東日本大震災時の「Facebook」での支援体験をもとに、Facebook」を活用した多可町の活性化の取り組みを解説いただいた。情報発信者の顔や人柄がつかみやすいFacebookを活用することで、世界中の人に多可町の魅力が瞬時に伝わるとともに、町民の方々との意思疎通や連携がスムーズに流れだしている効果などをご紹介いただいた。古賀様からは、武雄市がホームページでの情報発信を中止し、Facebookだけで行政サービスの情報発信を行ったところ、従来より60倍以上のアクセスが増えたこと、武雄市の特産品の良さをより知っていただく「Facebook良品」の取り組み事例などをご紹介いただいた。 聴講されたた方々は、行政関係者も含め、講師の方々の他では聞けない内容に目を輝かせて、うなずきつつ、メモを取っている姿が目立った。 第1部終了後、場所を移動し、第2部を開始。財部講師からは、アベノミクス政策に対する独特の見方や、中央官庁の様子など、日本企業の向かうべき方向性などが語られた。 第3部では、会場を「平安の間」に移し、米国の視察から戻られた井戸知事からの最新視察情報などもお話しいただくなかで、参加者がそれぞれに名刺交換を行うなど親睦を深める活気に満ちた懇親会となった。
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