活動レポート

起業の鉄則研究会

 平成 27年2月 14日(土) 14 時から大阪駅前第一ビル 11 階神戸大学学友会大阪凌霜クラブにて、本年度第11回目(通算119回目)の起業の鉄則研究会を開催しました。
 就職活動を乗り越え社会人スタート直前の大学生、起業準備中の起業家、IT経営者、飲食店経営者、易学者、社会保険労務士、をはじめ様々な業種の方々、講師を含む23名が参加。
 今回は原子力発電問題に詳しい大学教授兼経営者による福島原発事故を踏まえた原子力発電所再稼働についての講義と、飲食店経営の体験などから日常生活におけるケータイなどの電磁波の注意点や簡単にできる運動等についてご講演いただきました。
 原子力発電については専門的なことはわかりにくいものの、専門家の間では何が不十分であったのかの認識がまとまってきている点や、日本の国策としてのエネルギー問題をどう進めるのかといった部分、私たちが日々の生活で電力を大切にしていく大切さなどが印象に残る内容でした。

◆【第1 部】 「3.11 フクシマその後と新基準による再稼動条件」
 講師: 株式会社スリーEソリューションズ 代表取締役・工学博士 髙松 洋 氏
 ・原発のエネルギー効率は良い。同じ量の電力を発電しようとすると、原発ではウラン30トンですむところ、
 石炭では220万トンも必要。原料を備蓄するという観点からも原発には優位性がある
 ・原発の仕組みでは、燃料になるウランの周りには1800℃まで耐えられる金属で巻いている。ウランは
 280℃で溶ける性質がある。
 ・放射能事故のあった福島原発1号機の事故原因は、認識ミスがあったことが大きかった。
 設計が古く、直流電源がダメになると内側の弁が閉じる設計になっていた。その結果、原子炉内で
 温度を下げることができなくなり事故になった。この仕組みを東電関係者がよく認識できていないことが
 不幸につながった。
 ・同じ津波に会いながら、事故にならなかった女川発電所では、過去の津波被害を研究し、津波対策
 として15mの防波堤を作っていた。結果的に東日本大震災の津波は高さ13m、地盤沈下1mで合計14m
 であったので、女川原発は事故にならなかった。最大の要因はこの津波対策の違い。東北電力の女川
 原発建設では、明治時代におきた三陸津波の被災者が役員におり、この役員が当時、強硬に高台設置を
 求めたことで、津波対策ができたようだ。
 ・福島原発は、バックアップ電源が8台もあった。しかし、その設置場所が同じ場所で、かつ、同じ水冷タイプで
 あったことも悲劇になった。例えば、複数台の空冷タイプなどもいれていれば、違う結果になっただろう。
 さらに、9.11テロ事件を経験した米国から、多重化バックアップの必要性について提案されていたようだが、
 日本ではテロはあり得ないものとして聞き入れなかったようだ。安全に対する電力会社のおごりもあったようだ。
 ・原発の再稼働については、老朽化したものは廃炉にし、安全性が確保されたものは再稼働していく予定。

◆【第2部】 「あなたは身の回りに落ちている、チャンス、財宝、宝物、を見逃している!」
 講師:パワーアップナビゲーター 高山 結衣 氏
 ・日常生活にある電子レンジやケータイ、スマホなどから微粒ながら電磁波が出ている。この電磁波は
 人体にはよくない。ケータイやスマホを胸のポケットに入れている人は、すぐに心臓から遠ざけた方がよい。
 ・ロコモ(寝たきり)防止に良い製品がある。「ラクナール」実装体験。

◆【小林塾長からの講評】
 原発の問題は、マスコミが報道しないことも多いが、今回はその部分も含めてお話いただけた。
日本は資源がない国である。資源がない国が生きていくには付加価値の高いものを作ることが求められる。
起業家にあたっては、借金はするなとよく話す。借金をすると返済しなければならない。その返済原資は、
儲けからしか生まれないからだ。しかし、借金すると返済分は、経営や暮らしが苦しくなる。起業家が躓くことが
多いのは、借金の返済に苦しむからである。借金しなければ、食べ物などは何とかなる。利益がでたら、その
利益の範囲でやりくりしていけば、経営が軌道に乗っていく。それまでは、何としても続けていくことが大切。
 健康のお話は、大切。年を重ね、悪い部分があると医師から仕事を控えろといったアドバイスを受ける。
これはショックだ。経営者は簡単には休めない。従業員の方々を食べていけるようにする責任がある。
健康管理はお互い気をつけましょう。

 終了後、同じ階にある神戸大学学友会大阪凌霜クラブにて懇親会を開催。今回の懇親会では、初参加の方も多く、エネルギーの将来についての話題、各自事業の失敗談、人脈づくりとなる名刺交換などが活発にできた懇親会となった。 次回は3月14日神戸会場にて開催予定。

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