活動レポート

未来のチカラ育成委員会 出前講義「16歳からの起業塾」

未来のチカラ育成委員会では、「出前講義『16歳からの起業塾』」を12月1日(水)、神戸星城高校において実施いたしました。
「人を幸せにしたい」「自分の夢を形にしたい」そのために「起業」を選択する若者は既に世界中にたくさんいます。この授業は高校生にもわかりやすく、未来の「起業」に必要な考え方や発想方法をゲーム感覚でお伝えするものです。
毎年神戸星城高校で、特進Sコース1年生の生徒に年間6回の授業を通じて"起業家マインド""起業"についてお教えしています。 講義内容は下記のとおり。

1)【高校生のアイデア+大人のサポート】
まず、大手飲料メーカーとスーパーが姫路市立飾磨高校の3年生の生徒のアイデアを事業化した『自販機を利用した子ども食堂への募金「じーはん募金」』の事例を紹介。続いて、関西NBCの会員企業と、出前講義で出会った大阪府立四條畷高校の生徒が共同研究を行い生まれた「香りのグッズ」が間もなくクラウドファンディングで資金調達し、商品化される事例を紹介しました。「このように、今は高校生のアイデアやビジネスプランを、周りにいる大人たちのサポートで実現させることができる環境が整っています。普段の生活で君たちが感じたり、考えたりしていることを社会のために役立てることができるということを、覚えておいて欲しい。」との言葉で本年6回目の授業は始まりました。

2)【マーケティングとは顧客にとっての価値、みんなにとっての価値を考えることである】
2019年ユニクロがニューヨークのアーティストKAWS(カウズ)とコラボしたTシャツの事例により、機能的な価値(ニーズ=汗を良く吸うから買いたい等)と情緒的な価値(用事=KAWSを着てたらかっこいい、高く転売できる等)について説明しました。KAWSがデザインしたTシャツは、普段のユニクロのTシャツに比べて高額です。その高いTシャツをかっこいいから着たい人、または高く転売するために欲しい人は並んでも買ったそうです。もちろんそんな高いシャツはいらない、と普通のTシャツを買う人もいたでしょう。このように、人が商品を買うときには、人それぞれ様々な理由があります。そして、人によって価値は変わるのです。消費者が求めている価値が何かを考えることがマーケティングです。

3)【4時間目、5時間目の授業で設立した会社単位でのグループワーク】
講師からの「おじいちゃんやおばあちゃんが孫にサッカーボールを買う理由= 情緒的な価値(用事)はなんでしょう」との問いかけの後、ディスカウントショップで1500円、プロショップで3000円で売られている同じサッカーボールをおじいちゃんやおばあちゃんに5000円で売る方法を、各社で考えて発表しました。
各社からは、
「有名な選手にサインを書いてもらう」
「ボールを入れるネットをおまけにつける」
「ボールに対して保証を付ける」
「より高く売っている店の隣で販売する」などのアイデアが出ました。
講師は「どのアイデアも不正解ではありません。ただ、もっと機能的な価値(ニーズ)、情緒的な価値(用事)の違いに着目して考えてほしい。情緒的な価値(用事)を考えることがマーケティングにおいて非常に重要です。」とコメントし、「サッカーボールを買った人(贈られた人)にリフティングが10回できるまで何度も教えてくれるサービス」をつけて成功したスポーツショップ"ゼビオ"の実例を紹介しました。
続いて、様々な企業が実際に展開しているマーケティングについて説明しました。
①グリコ:お菓子におもちゃのおまけをつけて販売 
②ロイヤルブルーティージャパン:お茶をワインボトルに入れ桐の箱に詰め、高級感を演出して販売
③AppleiPhoneの箱をゆっくり7秒かけて開くように設計し、ワクワク感を演出。
4)【まとめ】 グリコの創業者である江崎利一氏の言葉「商売は2×2=5」を紹介し、「2×2が4なのは当たり前のことです。常にプラス1をして5にする事を考えて学校生活や日常を過ごして欲しい。何倍も頑張らなくても、1プラスするだけでいい。そうすることで、君たちが成功する確率は格段に高くなります。そして、自分だけではく、多くの人が幸せになれる未来をつくることにチャレンジしてほしいと思います。」と述べて、今年度の授業を終了しました。 IMG-4521.JPG
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