NBK経営セミナー『第二創業塾』(全5回)の第3回目を、1月24日(火) 古野電気
(株)にて開催した。
受講者8名がJR明石駅に集合し、古野電気(株)のマイクロバスにて三木工場
(三木市別所町)へ移動し、工場見学をさせていただいた。車中では古野電気(株)
の歴史や製品について説明していただき、参加者は事前の理解を深めた。
工場に到着すると、人と自然と技術の共存を図られた敷地内に古墳もあり、工場
公園という名に相応しい全景にまず驚いた。古野電気(株)の主力工場として全
生産の約6割を担う世界一の舶用電子工場を、多田重敏工場長に案内していた
だいた。特に、製品品質へのこだわりが随所にみられ、「世界のフルノ」たる所以
を垣間見ることが出来た。
工場見学の後は西宮市の本社に移動し、NBK副会長でもある古野清之社長の
講話を聴いた。
平成11年5月の社長就任時、2つの大きな課題があった。1つはGMDSSという海上
遭難防止機器の設置義務化対応、2つ目は国際会計基準への対応であった。
売上、経常利益ともに下降をたどり苦境に追い込まれた。そこで長期ビジョンの策定
に取り組んだ。10年後のあるべき姿を想定し、ステップ毎に目標を掲げた。次に
このビジョンを達成するための企業として持たねばならない普遍的な価値観や社会
に認められる企業像などの策定に取り掛かった。これらの策定に4年を費やしたとのこと。
古野社長は、この"フルノビジョン"と"フルノバリューズ"を具体的に説明され、2010
年に向けての方向性そして企業としての普遍的な価値観を熱く語られた。 このビジョン
とバリューズについては、全従業員を一堂に集め社長自ら説明し、討論を実施した。
これを重ねるごとに役員を含めた全員が同じ目的を共有し、従業員の意識も変わって
きたとのこと。この効果は業績に現れ、平成14年以降売上、経常利益が順調に推移
している。
終了後の懇親会でも、古野社長や会社の幹部も一緒になりフルノビジョンやフルノ
バリューズについての話が続き、"人間は心に伝わってくるものがあると元気になる"
ということを実感した。経済環境が変化する中で、経営者が創業期のビジネスモデルを
どう変えていくか、強いリーダーシップをどう発揮するかなど「第二創業塾」に相応しい
セミナーであった。
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